□テレビ朝日『妖怪シェアハウス』
2020年8月1日(土) より放送スタート!
毎週土曜 23:15〜
記事は8月1日(土) 放送の第1怪より
【基本的に全編ネタバレ】
『カステラ書房の毎日』は深夜1時に毎日更新中‼︎
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〝日替わり〟と言いつつ、最近は新ドラマスタートが相次いでいて読むドラマ シリーズに偏ってしまってはいる
なんなら一気に書いてしまえないものか、と無謀にも挑戦中! それでまた偏るという悪循環が起きている
とにかく、一緒にやいのやいの言いながらドラマを観る感覚で読んでもらえたら最高です
ちなみに第2怪ではありません。お間違えなく!
今回は第1怪の【後編】です。【前編】は前日の記事をご覧ください。
ちなみに小芝風花さん関連の記事は、こんなのもあるので、よろしく!
『妖怪シェアハウス』第1怪 【後編】
着ている服に合わせてコーディネートしているのか、今回の四谷伊和(松本まりか)の眼帯の色は白。
もちろんちゃんと光ります
と、ここで気づく。眼帯が光ってんじゃなくて伊和さんの目が光ってるって事に。
いやでも、ピカッと光ったあとにキラキラッて、いくつもの小さい光が輝いてるのは眼帯が光ってるようにしか見えないしな〜。とこの時点では思ってた。真相は後ほど。
で、伊和が何をしてるかっていうと、目黒澪(小芝風花)を騙した男・奥園健太郎(柾木玲弥)にハニートラップを仕掛けるために待ち伏せしてるのだ。
この奥園健太郎って男はどうもクズらしく、その伊和のハニートラップに簡単に引っかかって、妖怪たちが待っているシェアハウスにまんまと誘い込まれてしまう。
◇シェアハウス リビング
切り替わった次のカットではシャワーを浴びた後という、「一体何しに来たん?」状態の健太郎。男に追いかけられていたテイの伊和に「私こわい」と甘えた声で言われ、「一人で帰すわけにはいかない」という大義名分でここに来たはずなのに、シャワーを浴びる理由よ! ストレートすぎるだろ‼︎ って。あ、すいません。取り乱しました。
それくらいに女には見境なく軽い男だということだね。
澪から借りたお金で買った奥園健太郎のロレックスの時計を手に取って伊和が聞く、
「素敵な時計ね。誰かのプレゼントでしょ?」
「っていうか、元カノが貢いでくれちゃったんだよね」
四谷伊和(以下、伊和)
「元カノ? どんな子だったの?」
健太郎「いや、伊和ちゃんとは全然レベルちがう普通の子。なんか何を勘違いしたのかわかんないんだけどさ、俺と結婚する気になってたみたいでさ」
フスマを隔てた隣の部屋で聞き耳を立てている澪。「俺と結婚する気になってたみたいでさ」を聞かされる澪の気持ちよ!
健太郎「でも俺、君には何か特別なものを感じるんだ」と伊和にキスをしようとする
伊和「ちょっとシャワー浴びてくる。待っててね」と健太郎からのキスを回避する
フスマの隙間からその様子を見ていた澪が立ち上がり、
澪「私も同じことを言われました」と力なくつぶやく
健太郎から言われたことも、使い回しの口説き文句だと知ってしまう。
和良部詩子「二股は二人の女を同時に不幸にする。だから男には二倍の苦しみが与えられるべきなのよ」
そう言いながら、えのき茸を二つに裂く。前にも白ねぎを裂いてたけど、和良部詩子は感情が高まると野菜類を引き裂くという事なのか?
伊和「これでわかったでしょ。どんだけクズか!」
突然、乱入し怒鳴るように澪に語りかける
沼田飛世「待て待て伊和ー。なんでそんなにブチギレる?」
伊和「あのクズの、クズっぷりも顔も伊右衛門に瓜二つだからよ!」
泣き叫ぶ伊和にボケをかます澪。悪気はない、天然なんだ。
そもそも伊和による今回の計画は、目の前の男が〝クズ男〟だと澪に知らしめるためのものだったのだけど。
その男・健太郎が、かつて自分に毒を盛った伊右衛門に「クズっぷりも顔も瓜二つ」という理由から、次第に自分自身の怨念が湧き上がってくる。
そうじゃなくても健太郎が澪にした事は腹立たしいわけで、伊和の怨念が限界値を超える。
とうとう〝お岩さん〟としての姿をさらけ出す。
限界突破! お岩さん 登場⁉︎
澪のための復讐劇で、自身の怨念がよみがえってしまった伊和。この後、とんでもない展開を見せる。
目の前に現れたお岩さんに驚き、「うわあぁーっ!」と悲鳴を上げて逃げる澪。
何度もシェアハウスの中の同じところをぐるぐると走り回ったあげく、ようやく外に出られたと思ったら目の前にまたお岩さんが現れる。
お岩さん「逃げるなーっ! 内なる怒りを呪いに変えよ。殺されてからでは遅いのじゃー!」
ここで、「目が光ってんのか眼帯が光ってんのか」問題の決着がつく。
お岩さんが潰れた方の目から光を放ち澪が〝ドクン〟となる。
ドクンッ‼︎
これが憑依ってことだよね。
このカットがすごくリアルだった。
とは言うものの現実的に、魂が人に憑依するのを見たことはないからね。それが〝リアル〟かどうかについては推測の域を出ない。
いきなり開演⁈
妖怪 ミュージカル!
井戸の中から和良部詩子が現れて、「お岩のうた」みたいなものを歌い、その歌に合わせて澪とお岩さんが体を揺らしながら踊るという、ちょっとしたミュージカルっぽいシーンとなる。以下、その歌詞。
♩〜お岩の力は呪いの力
恨み晴らさでお〜くものか
あ〜うらめしや〜うらめしや〜
この子の怨み晴〜らしましょ
この子の涙ぬ〜ぐいましょ
この子の怒りぶ〜つけ〜ま〜しょう〜 ♫
ここで僕の頭にふと浮かんだのは、デューク・エリントンの『スイングしなけりゃ意味ないね』原題「 It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing) 」。
スイングしなけりゃ意味ないね
僕はジャズを聴かないので直接的にこの歌がどうという話ではない。
たぶん村上春樹氏の著書である音楽評論集『意味がなければスイングはない』に影響を受けたものだと思うんだけど。
ただ感覚的に、「スイングしなけりゃ意味ないね」って思った。
『妖怪シェアハウス』というドラマが始まると知った時に、なんとなくだけど『地獄少女』的なストーリーだったらやだな、と思った。
これは『地獄少女』を嫌だと否定してるわけじゃなくて、あくまでわかりやすく話を進めるために作品例として出したまでで、他意はない。
この『妖怪シェアハウス』には、「幽霊や妖怪が人間と絡む物語って、結局こういう展開になるよね」っていう既成概念からポンっと飛び出しすようなPOPな物語を期待してたんだ。
「内なる怒りを呪いに変えよ」と言ったお岩さん。
単に澪の復讐に協力するといったものではなく、そこには自身の怨念が強く関わっていた。
「お岩さんほどの怨念があればこうなるでしょ」と納得いく展開にほっとした。
そこで和良部詩子は歌い、澪とお岩さんは踊るのだ。
僕の中で、村上春樹氏の今度は小説『ダンス・ダンス・ダンス』(1988年)での、主人公が羊男に「踊るんだよ」と、「音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ」と言われる場面がリンクする。
このミュージック的なシーンというか、この一連の流れは〝おちゃらけ〟じゃない。
そこに意味があるんだろうなって思ってしまった。
『ダンス・ダンス・ダンス』の作中では羊男は、踊ることについて「意味なんてもともとないんだ」と言ってるけれど、それについてまで語るとさらに深くなるのでやめとく。あくまで僕の混乱した頭で考えた事であって、それを感覚的に語っているにすぎない。
ここで偶然にも先程の話に出た村上春樹氏の著書名がぴったりくる。
「意味がなければスイングはない」のだ。
お岩さんに憑依された澪。
ついに健太郎の前に姿を現す澪とお岩さん。
澪の手には包丁が握られている。
澪「信じてたのに! ふざけるなーっ!」
包丁を手に健太郎に向かっていく澪。逃げる健太郎を追いかけながら、手当たり次第に包丁を振り回す。
澪「お金も仕事もむしったあげく、2番目だあ? こっちは食べたいものも我慢して尽くしてきたのに〜」
お岩さん「貧しくても操を捧げて尽くしてきたのに〜」
憑依された澪。憑依したお岩さん。
一心同体となった二人の怒り✖️怨みが、スイングするかのように融合する。
最後は二人一緒に「この大嘘つきがあ〜」と、とどめを刺すテンションで健太郎に飛びかかるが、健太郎による「キショいんだよ」という言葉に澪は我に返り、伊和は深く傷つく。
で唐突に。前後編にしてお送りしてきた「読むドラマ」の【後編】としては、ここで終わる。
自分なりに『妖怪シェアハウス』の第1怪の面白さは伝えられたかな、と思うので、あとは次の第2怪以降の展開に期待したい。
ちょっと今回は「思いが溢れすぎて」といったところはあったけど。まあ、こんな回だってある!
〈おしまい〉
【番組後記】
なんともまあ、筆者が暴走した感のある【思いが溢れすぎての前後編】だった。
取り分け、深夜1時の定時更新を遅れた事はいただけない。
それに、『妖怪シェアハウス』第2怪放送前に、第1怪の記事を公開したかったのに。それができなかった無念さよ。それについては反省するしかない。
「ぐだぐだ言ってないで、次いかんか〜い! 」と自分自身に発破をかけて、次行ってみよう〜! (あっけらかん)
[本日のデータ]
SS画像 5枚 約3960字
前編 約3350字で、計7310字
〈次回お楽しみに〉