オープニング ニノ
「私に恋をさせてくれないか」
リクによる回想シーンより
2011年7月-9月放送
記事は第3話より
『カステラ書房の毎日』
「読むドラマ」50回を達成‼︎
ぱんぱかぱーん! パチパチパチ⁉︎
おかげさまで、読むドラマシリーズが記念すべき50回を達成することができました!
皆さま、本当にありがとうございます。
今後はまずは100回を目指して頑張っていきます! 応援よろしく。
これからも変わらず毎日深夜1時更新!
今回の振り返り度 ★★★
星3つ。流れは振り返ってるけど、実際に観るのとはまた違う。そういうタイプのドラマ。
まだ観たことない人には、これを読んで「なんだか面白そう」と、ドラマを観てもらえたなら、やってる甲斐があるってもんだ。そこも目指したい!
☆ そうそう、 読むドラマとは
一緒にやいのやいの言いながらドラマを見る感覚で読んで楽しめる、ダイヤ乱れまくりの脱線トークバラエティーである
☆第1〜2話はこちら
「僕は彼女に命を救われた。命の恩人の願いを叶えないわけにはいかない」
リクこと市ノ宮 行(林遣都)の語りによるこれまでの回想シーン。
その中で、「私は金星人だ」というニノ(桐谷美玲)や河川敷村の住人らの事をリクは〝電波〟と称していた。そういう認識なのか、言い得て妙だなって思った。他に言いようがないよね。
◇村長によるオープニングカット
村長「以上が前回までのAUTB。ってここまで約3分。しっかり屈んだら」と言って、画面下に屈んでいっぺん消えカツラをかぶって再び現れて、
村長「あとは飛ぶだけ。さあ、第3話の始まりだ!」
ふざけてるとしか思えない河童姿の村長が、カッコよくみえてくるから不思議だね。
一見しただけでは小栗旬さんだって気づきもしないのに。
でもひとつ言えるのは、頭はお皿の方がカッコいいね。やっぱ河童なんだから。
episode 7 Children On The Sky[少年の夢は青空へ]
P子(安倍なつみ)と鉄人兄弟の鉄雄と鉄郎が、ペットボトルロケットを飛ばそうとしてる。
ペットボトルロケットを飛ばそうとしている三人
その横でニノがなぜクラウチングスタートの姿勢をしているのかは不明
2度の発射失敗の後、それを見ていたリクに気づいた鉄郎。
鉄郎「あっリクだ! 一人かくれんぼ?」
リク「そんなものはしてないし、一人でするかくれんぼは雲隠れって言うんだ」
P子「リク、ちょうどよかった。ちょっと手伝ってよ、あれ全然飛ばないんだよ」
三人が作ったペットボトルロケットを観察するリク。
リク「この構造で飛んだら逆にすごいですよ」
P子「どこがどう間違ってるの?」
リク「どこもかしこも間違ってますよ」
さすがは村長に「理屈」から取って「リク」と名づけられただけの事はある。言い方がいちいち理屈っぽい。
P子「じゃあ教えてよ。教えて直して飛ばしてよ」
鉄郎「教えて直して飛ばしてよ」
鉄雄「教えて直して飛ばしてよ」
リク「ユニゾンしたら、なんでも叶うと思うなよ」
とか言いながら、リクはまるで先生みたいになってペットボトルロケットのつくり方を教える。
その時、リクがふと気づく。
ペットボトルロケットの作り方を書いた黒板の影から睨みつけてるステラ(徳永えり)に。
なんだかリクをものすご〜く睨みつけてる。
リク「ヘビの目だな。トラウマになる目だ」
腹を立ててる様子のステラがP子の作ったペットボトルロケットに落書きをする。
リク「どういう嫌がらせなんだ。というかステラ、どうかしたのか?」
ステラ「どうかしてんのはお前らのほうじゃろ。知らん土地で商売始める時はショバ代を収めるのが常識じゃ。100兆円よこさんかい!」
ステラの怒りはリクがうまいこと言ってはぐらかし丸め込む。精神年齢が7歳らしいステラには素直な一面もありそうだ。
そんなこんなでステラも加わってみんなでペットボトルロケットを作り、大空に飛ばす。
それで、episode 7 Children On The Sky【END】となる。
普通に観てたけど、大して中身のないストーリーだよ。これ。
【END】って出た時ビックリした。え?なんだったの、このくだり? って。それぞれにキャラが立ちすぎてて、そのキャラ同士のやり取りが面白いから観てられるけどね。
◇P子の野菜畑
episode 8 Brand New Season[春は始まりの季節]
リクがここ、荒川河川敷村に来て何日くらい経ったんだろう? 少なくとも1〜2日は経ってるはず。変わった人たちがたくさんいて、驚くこともいっぱいあっただろう。
でも、そのリクがこれまでで一番って言ってもいいくらいの大声を上げて驚いてる。
リク「うええ〜っ!」
リク 驚愕のP子による衝撃シーン⁉︎
な、なに? なによ、この状況⁇
いや本当に衝撃だったんだけど、いったん落ち着こう。ふ〜〜(深呼吸)。うん。たぶん、こういう事だと思うんだ。
ず〜っと真っ直ぐ等間隔にバナナの皮が落ちていて、そのバナナの皮に滑って、滑った先のバナナにまた滑って、またその先のバナナの皮に滑るという繰り返しによって高速移動しているP子。
バナナの皮が落ちている距離は長く、滑っているP子のスピードもかなり早い。後ろの背景がぼやけるほどだから、かなりのスピードだよ。
それに、ツルツルの床の上ならもちろんだけど、土の地面に落ちてるバナナの皮がそんなに滑る? という疑問も少しよぎる。
おまけにバナナの皮を踏んで滑った時の音なのか、「ポヨーン」みたいな音が連続的に「ポヨーンポヨーンポヨーンポヨーン」ってずっと鳴ってるという。
バナナの皮で滑って音鳴るか? という違和感もハンパない。
一体これ、どういうシーン?
どういう気持ちで観たらいい? ただ笑ってみてていいんだよね? って不安にもなり、不思議な気持ちになった。
最終的にはどこだかに激突したP子。
次のシーンでは、リクが住まいにしてるテントの中で奇跡的にかすり傷ですんだP子が手当てを受けてる。
このシーンでの会話は長い。その内容はいつものように大して意味もなさそう。だけど途中から村長が乱入してきて流れが変わる。
しまいにはP子が深い話をしてるという不思議な会話劇。
とても気になったので再現したい。
P子「痛っ! あ〜あ、せっかく園芸を始めようと思ったのに」
膝のかすり傷をリクが消毒してる。
リク「園芸?」
P子「そっ。作物だけじゃなくてひまわりも植えようと思ったの」
ひまわりの種を植えようしていた時の出来事だったようだ。先程のバナナの件は。
リク「春だから?」
P子「そっ。春はね英会話教室とか習い事の生徒がリアルに倍増するんだよ」
リク「そうなの?」
P子「予期せぬ出来事も起こりやすいし、リクみたいに」
リク「あー確かに。それ俺世界で一番うなずけるな」
ニノ「リクは、医者なのか?」
リク「いえ」
ニノ「じゃあヤブ医者か?」
リク「いえ」
P子「うなずいてないじゃん」
ニノは、P子の傷を手当てしているリクの事を医者かと思ったのだ。P子はリクが「〜世界で一番うなずけるな」と言葉上〝うなずける〟と言った事に対して、実際的にうなずいてないと指摘してる。
リク「そんなブラックな人生、俺歩んでませんよ。てか皆さん、ヤブ医者とかっていう言葉知ってるんですね?」
ニノ「シスターが昔よく世話になってたとか言ってたからな」
P子「決めた。私、車の免許とるわ」
リク「どういう流れて決めたか分かんないけどやめとけ、絶対事故るぞ」
P子「これでいて結構慎重派なのよ」
リク「見当たらないな、そんな部分」
ここで村長登場!
ただでさえボケ満載な会話してるのに、村長まで加わったらリクのツッコミが追いつかなくなるよ。
村長「おい、P子。大丈夫か?」
P子「あ〜村長。これぐらい全然平気。村長はどう思う、私車の免許取ろうと思うんだけど」
村長「(食い気味に)いいんじゃない? すげえいいと思うよ」
リク「すげえ適当ですね」
村長「新しい何かを始めるってのはいいことだ」
P子「ほらあ」
リク「じゃあ好きにしたら」
村長「じゃあ、俺も何か始めっかなあ?」
リク「そのじゃあは何にかかってるんですか? っていうか何か始める前にそれ着るの終わりにしてください」
とにかく間髪入れずにツッコミまくるリク。
いきなり立ち上がり真面目な顔して、落ち着いたトーンで、
村長「着てるもんなんか、ねーよ」
P子「ちょーカッコいい」
リク「ちょー意味わかんねー」
村長「とりあえず何を始めるか考えながら夕日に向かって走ってくるわ」
リクのテントから出て行く村長。
リク「真っ昼間ですが」
ニノ「競争なら負けないぞ」
村長の後を追って走るニノ。ボケの畳みかけがすごい! ニノはいつも〝走る〟という事に対して敏感に反応する。
これでテントに残ってるのはリクとP子だけ。二人の会話劇はつづく。
リク「P子はさあ」
P子「好き」
リク「村長のことが」
P子「好き、ちょー好き」
リク「食い気味できたね」
P子「それぐらい好きなの」
リク「どこが?」
P子「まず顔」
リク「ごめん。いきなり意味わかんない」
P子「それに内面」
リク「内側じゃなくて?」
P子「リクだって何かは着てるでしょ?」
リク「そりゃ服は着るけど」
P子「じゃなくて。他人からのイメージとか。体裁とか。もっといろいろ」
P子の言葉が胸にささるリク
P子「プライドとか厄介なもの。そういうの着てるでしょう。確かに村長は非常識、誰よりも非常識よ」
リク「それは間違いない。今世界で一番うなずける」
P子「でもねリク。村長の非常識にはブレがないの。村長は村長の中で正しいと思うことだけしてる。それが一番本当の生き方だって知ってるからよ。そういうの貫けるってカッコいいでしょう。リクも何か始めてみたら? (リクに手当てをしてもらった膝を見せて)ありがとう」とテントを出ていった。
episode8 Brand New Season[春は始まりの季節]【END】
P子の台詞がこの物語を言葉化してるようで興味深かった。頭空っぽにして単純に笑えるものもあるだろうけど、中身を知ってるからこそ笑えるみたいな面白さってあるよね。
意味があるのかないのか。
そこらへんをごちゃまぜにして、視聴者を煙に巻き予想を裏切ったりしながら、それを楽しむようにこのドラマは作られたんじゃないかなって、ふと思った。
それはそうと。リクのテントはやっぱりすごいね。
◇荒川河川敷の一角
episode 9 Japanese Tea[お茶会]
広大な河川敷の一角に準備されたお茶会セット。episode 8 [春は始まりの季節]の流れを汲んで、新しいことに挑戦する羽目になったリクと星(山田孝之)。
ここでの本題が始まる前にやたらと〝侘び寂び〟についての注釈が入る。辞書をコピペしたようなテロップが次々と表示され、しかもたっぷりと時間が取られている。
その間、村長とラストサムライ(駿河太郎)を含めた4名はお茶会セットに正座をしてるだけ。
散々テロップだけの展開で時間を使った上で、「つまりは」と〝侘び寂び〟をこう結論づける。
無駄な間を粋だと思える、広い心
たっぷり時間を使った〝侘び寂び〟のくだりが終わり、ようやくお茶会が始まる。
ラストサムライが正式な作法に則ってるものと思われる所作で、こちらもたっぷり時間を使ってお茶を点てる。
星「おい。こういう時何か言ったほうがいいんじゃないのか?」
リク「ああ、そうだな」
星「あーあれ、なんつったっけ、あれ。竹で出来た泡だて器みたいなやつ」
リク「茶筅だ、ちゃせん」
星「いや〜、すばらしいですねそのちゃせん…」
そう言いかけると突然画角が回転を始める。
ゆっくりと回転しながら暗闇の奥へと小さくなっていき、一回転したところで今度はこっちへ回転しながら戻ってくる。
元の画面に戻るほんの少し前で、ラストサムライがお茶を点てるのに使っていたのは、茶筅ではなく黒々とした髪の毛の束だという事が確認できる。
星「おいっ!」
リク「それっ!」
星・リク(同時に)「ちょんまげじゃねえか!」
村長「おいおい。ほんとにわかってねえな」
リク「わかってないのはどっちだ」
星「髪の毛突っ込んでいいわけねーだろ」
村長「何を現代的に突っ込んでんだよ。何事にも時代には時代のやり方があるんだよ。ラストサムライ、手本見せてやってくれよ」
ラストサムライ「承知した」
今度は村長がちょんまげでお茶を点てる。そこへラストサムライによるツッコミ。
ラストサムライ「いとをかし」
村長「今のが昔の茶席における」
ラストサムライ「ツッコミの作法でござる」
お笑いコンビのようにセリフを二人で振り分けてる。
星「嘘つけ‼︎」
星・リク「いとをかし!」
こちらもお笑いコンビのよう
村長「というわけで」
全員「次回予告!」
声を合わせての最後のコールが、まさにコント番組のエンディング!
なんなん? これ。
こちとら〝オープニング ニノ〟と題した冒頭のミニミニコーナーで「私に恋をさせてくれないか」という台詞をピックアップしたというのに。
ぜんぜん関係ない話ばっかりで、なんならニノ(桐谷美玲)の出番があんまりないじゃん! いやいや、これは文句じゃない。桐谷美玲さんにはもっとたくさんの出番があって欲しいのは確かだけど。
今回は、展開で見せたepisode 7 。会話劇で見せたepisode 8 。〝侘び寂び〟で見せたepisode 9 。
それぞれが違った切り口で演出されていて、思う存分楽しめた。
次回も楽しみだけど、ま〜た裏切ってくるんだろうね。
〈おしまい〉
【番組後記】
いや〜、ごめんなさい。今回も定時に更新できなかった。
でも今回は、50回記念の煽りを受けた感じなので大目にみてください。本来なら一つ前の記事が今回の分だったのに、その題材にしたドラマ『妖怪シェアハウス』の放送に合わせて前倒しに公開してしまったという経緯がある。
その時はこの『荒川アンダー ザ ブリッジ』の記事がこんな長文になるとはゆめゆめ考えてもなかったんで。
いや〜、それにしても書き過ぎ。一体、誰がこんな長文読むんだよって!
書き出したら止まらない癖を少しどうにかしないとね。
[今回のデータ]
SS画像 13点 約5300字
「無駄な間を粋だと思える、広い心」以降、下書きプレビューが切れた
〈次回お楽しみに〉