カステラ書房の毎日

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読むドラマ◇ case2 『中学聖日記 特別編』第10話

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■今話のいけない聖ちゃん

 山小屋で黒岩と一夜をともにした聖

 でも、やましい事は何もありませんでした(目撃者 談)

 
 

「黒岩くんが好き」

そもそも涙声なのに、声が上ずってていつもより甲高くなってる。少女みたいな聖の告白が耳を離れなくて。

 

 

 第10話の焦点 「いまさら聞けない」

聖って黒岩くんのこと、どれくらい好きなの?

 

それで考えてた。

聖は黒岩くんの事をどれくらい好きなのかを。

このドラマ中学聖日記の一番の難点は、誤解を恐れずに言うと、聖が黒岩くんの事をどれくらい好きなのかがわかりにくい。少なくともわかりやすくは描かれてないという事だ。

 極端な例で言えば同じTBSドラマ『恋はつづくよどこまでも』の佐倉七瀬(上白石萌音)が天堂 浬(佐藤健)のことをどれくらい好きなのかを視聴者はよく知ってる。あのドラマを観てれば誰だってわかるよね?

あくまで「わかりやすく描かれている」例として言ってる。比較してるわけではなく、比較できるものでもない。

 ああ、そっか。わざわざ他のドラマの話をしなくても、るなちがいるじゃん。岩崎るな(小野莉奈)は黒岩に4回も告白し、何度もフラれ傷つけられ、それでも黒岩を好きでいる。その事は痛いほどよく知ってる。

じゃあ、聖はどれくらい黒岩晶が好きなんだよ? ってこと。勤めていた中学校を辞め教師を辞め、婚約者とも別れ、聖が失ったものは大きい。黒岩晶を好きになった代償はそれほどに大きいのだ。その代償に見合う程に聖は黒岩晶のことが好きなんだろうか? 

 

この第10話からおそらくそこら辺の事がわかると思う。もう次回は最終話なんでここしかない。

とはいえ筆者はもう何度かこのドラマは観てんだけどね。それはそれとして。

初めて観るようなフレッシュな気持ちで進行したい。

 

〝読むドラマ〟という名の列車の車掌として、今宵も見切り発車で出発進行 !!!

言い回しが「ユリオカ超特Q」っぽい? 知ってる?

 

 

 

◇読むドラマ◇ 

第2回で取り上げるのは中学聖日記 特別編』の第10話。今宵もご乗車ありがとうございます(設定迷走中! )。

 

 

特筆すべき聖の表情①

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島を出るため挨拶をする聖。

島崎康介(岸谷五郎)から「晶をよろしく」と言われた時、聖は声に出して返事はしなかった。一度目線を下ろして少しだけ間があって、その後で笑顔をつくり微かにうなずいた。

 

 

特筆すべき聖の表情 ②

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帰りのフェリーのデッキで二人は初めてこれからの〝未来〟を語った。その後で覚悟を決めたのとはちょっと違う複雑な表情を見せた聖。

 

 

 

◇黒岩家

 

聖は母・末永里美(中嶋朋子)と連れ立って黒岩家に訪れる。

里美は懸命に聖をかばいながらも黒岩愛子(夏川結衣)に謝罪する。そんな里美に「ごめんなさい、お母さん」と聖が切り出す。

始めに「すみません」って言ってからの、

 

「黒岩くんが好きです」

 

黒岩愛子を真っ直ぐに見て、

 

「教師としてではなく、黒岩くんが好きです」

 

もうこの時点でどれほどに黒岩の事が好きなのか、その真っ直ぐな気持ちが伝わってくる。一般的な人は、こういうシチュエーションで絶対にビビる。でも聖は、こういう時にその芯の強さを見せる。それに自分に正直で真っ直ぐなんだ。

 

 

「黒岩(愛子)さんに謝って、もう二度と息子さんに会わないって約束して」と必死で聖に言い聞かせる里美。

そんな母に「それはできません」

「もうこれ以上、嘘をつき続けることは‥(できません)」

 

「約束します。黒岩くんの生活を妨げるようなことはしません。黒岩さんにお許し頂ける日まで」

 

晶が心変わりするかもしれないと愛子。

それには「黒岩くんを信じています」と答え、

 

□特筆すべき聖の表情

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 「もしそうなっても後悔しません」

 

どんなに愛子に反対されようと、里美に泣き付かれようと聖は揺るがない。

 

そんな小娘(聖)に負けてるような愛子じゃない。

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「二人が島にいると聞かされたとき、私はこれはある種の、誘拐じゃないかと思いました」と愛子。この人が絡むシーンはいつもサスペンスドラマのようになる。

愛子「私も、言いたいことはすべて言わずにいます。これ以上は然るべき措置を取ります」

 

この愛子の言葉を聞いて里美は泣きながら土下座して謝る。愛子はそんな里美の背中をさすり、

「先生、どうか私たちの気持ちを汲んでください」と聖に大人の解決を求める愛子。これがいわゆる大人のやり方なんだろう。

 

 

 

◇勝太郎と律

 

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勝太郎「親御さんに堂々と宣言したそうです。彼のことが好きだって。この先認めてもらえるまで、待つとか何とか」

 

勝太郎「とうとうおかしくなった。まるで別人ですよ、あの聖は」

「とうとう言えたんだ。好きだって言えるまで時間かかったわねえ。幸せになれるといいんだけど」

勝太郎「なれるわけないじゃないですか」

 

そこに勝太郎を残してさっさと去っていく律。この原口さんは見切りが早い。それと聖のことを良く理解してる。聖がどれくらい黒岩くんを好きかも、この人に聞いた方が早い。

 

 

 小宮第一小学校

 

聖から山江島での事を聞かされた丹羽千鶴(友近)が言う。

「だったら教師、もうやる資格ない」

 

千鶴「結局あんた、あの黒岩っていう10も歳下の男の子との、ほんのいっときかもしれない恋愛感情の方が(生徒たち、教師を続ける事より)大事だったのよね。未成年に手を出した女教師、その事実は消えない。これから先、人の100倍頑張ったってもうスタートラインにすら立てない。でもそれでもいいんだよね、好きだから。彼のことが好き。それがすべての言い訳になるんだもんね」

 

千鶴「おめでとう、お幸せに」

 

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この時の聖が、なんだか一番つらそうだった。生徒たちへの思い、教師を続けたいという思いもあったろう。

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 最後に校舎に向かっておじきする聖

泣けるシーン

 

 

 

◇聖 公衆電話から

 

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 「もしもし、黒岩くん? 」

公衆電話から黒岩の携帯に初めて電話する聖が高校生のよう。

かかってきた方の黒岩は、初めての先生からの電話に嬉しそう。

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まるで、高校カップル。

 

黒岩は、ちゃんと学校に行っている事、家に戻った事を報告。

聖は、小学校を辞めた事を「心配しないで、ちゃんとやってる」と内緒にする。

 

「あっ、あの日と同じだ」そう言って夕陽を見る黒岩。

聖も振り返り夕陽を見る。二人別々の場所から同じ夕陽を見てる。

 

黒岩「おしえたいなあの時の自分に」

「何を? 」

黒岩「誰かを好きになるって、やっぱり素晴らしいものだって」

 

割とクサい台詞をさらりと言える黒岩。そういうところも聖はきっと好き。そんな素敵な二人の時間を母が邪魔をする。女の勘は恐ろしい。愛子は嫌な予感がして、コンビニに行くと出かけた晶の後を追ってきたのだ。今回は電話での接触のためセーフ。

 

 

 

 末永家 玄関前

 

聖が実家に戻ると玄関前に勝太郎が。

里美から「(黒岩との事で)聖に何か言ってやってほしい」と相談されていたらしい。

律にフラれ、しかも律が昔の恋人(女性)とよりを戻していたのを目撃したばかりの勝太郎が、ここぞとばかりに聖とよりを戻そうとする。聖には完全にその気持ちはないのに。

勝太郎よ、君はもっと格好いい男だったハズなのにどうした? 株価が下がってるぞ、気をつけろ。

 

 

 

◇どこかのカフェ 律と聖

 

「変わったね、聖ちゃん」

 「つよくなった」

「その逆です、もうボロボロです」

「でも勇気ある」

 「私は勇者の味方、聖ちゃん闘ってる」

 

聖は引越し先の賃貸契約の保証人を律にお願いする。〝勇者の味方〟律は快く引き受ける。

 

 

 

◇末永家 聖の部屋

 

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新しく買った携帯電話で黒岩と連絡をとる聖がまるで女子高生のよう。でもそれはほんの最初だけだった。

 

黒岩「(先生のこと)最初は嬉しかったけど、なんか引いた。冷めた。だから、取り返しのつかなくなる前に言わないとって、先生との事、今は考えられない」

「どうして?」

黒岩「もう、こういうのやめよう、じゃあ」

 

電話を切られ、この時ばかりは動揺が隠しきれない聖。岩崎るなの時と同じように、また聖を傷つけるのかよ、といった展開になる。

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《緊急速報》川合勝太郎の株価、大暴落

 

◇東京本社 社内

 

「昨日聖ちゃんを抱いた」と律。

アパートの保証人になった律は、そのアパートの内見にも同行し、その際黒岩からフラれたことを聖から打ち明けられ胸をかしたのだ。その事を話すと、

 

勝太郎「所詮その程度ってことですよ。結果は目に見えてたんだ。遅かれ早かれダメになる。想定内です」

「待て、今なんて言った? 」

 

その言動から裏で勝太郎が絡んでいる事を悟った律はすぐに聖(勇者)救済に動く。

 

 

 

◇黒岩晶の進路先 オープンキャンパス

 

突然実家に現れ聖を連れ出す律。

黒岩がいるオープンキャンパス会場に聖を連れて行き、思いを伝えるよう促す。「行け勇者」と。この記事の冒頭で『恋はつづくよどこまでも』の話をしたが、偶然にも〝勇者〟がリンクした。

 

聖は会場で黒岩を見つける。逃げる黒岩を追いかけ強引に聞く。

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「行きたい学部、何に興味持ったか、どんな将来見つけたか、それだけ最後におしえて」

その質問が聖らしい。

 

黒岩「先生は? 教師あきらめるんですか? また学校、おれのせいで辞めて、もうこの先ずっと先生やらないつもりですか? 」

「なんでそのことを? 」

黒岩「よく考えてくれって、言われたんです」

 

聖は勝太郎が何かしらの事を黒岩に行ったのだと気づく。

 

黒岩「あの人の言う通り、僕には何もできない。離れることぐらいしか。先生やめてほしくないんです」

黒岩「楽しいよって笑ってましたよね? 教室で「おはよう」って言うだけで元気が出る。クラスで食べる給食おいしいって。あれだけ好きだった仕事をあきらめていいんですか? 後悔してほしくないんです」

 

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聖が実際に教師をしていた期間は短い。中学も小学校もすぐに辞める事になってしまった。事実、ハローワークの受付の人にも「短い期間で二つの学校を辞められてますね」とチクリと言われていた。その短い期間、教師だった聖のことを黒岩はよく知ってる。黒岩が聖のことを好きになったのは、そんな姿を見てたからだった。

 

その後聖は何か言いかけるがその瞬間、愛子の声が耳に届く。「今、見られたら…」と危険を察知しすぐに聖の手を取り会場内の人ごみをかき分け逃走する。

 

 

 

◇どこかの見晴らしの良い場所

 

オープンキャンパスからの逃走後。

 

「黒岩くんの言う通り先生っていう仕事、大好きだった。でも、前に話したこと覚えてる? なりたい自分があって、その前の前に今いると思ったら行きたい学校見えて来ない? って」

「だから、私も考えたの。どんな自分になりたいか。嘘のない、そのまんまの自分でいたい。何がどうなっても自分の責任だって受け入れたい」

 

聖にはいつだって嘘がない。いや、相手を思うが故にやさしい嘘はついたりもするが。真っ直ぐで正直な女性なんだ。だからこそ、目の前にいる好きな人にも、真っ直ぐに正直に気持ちを伝える事ができる。

 

「黒岩くんのとなりにいたい」

 

黒岩「僕もです。先生のとなりにいたいです

この先ずっと」

 

黒岩くんよ。周りの大人たちに惑わされるなよ。この先ずっと。

 

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そこへ警察が

 

警察官A「末永聖さんですか?」

警察官B「黒岩晶くん?」

 

 

次回、衝撃の最終話。




【また、お詫び】

〝読むドラマ〟 という名の列車、発車の時刻が今回もかなり遅れてしまいました。ダイヤが乱れお客様には多大なるご迷惑をおかけしました事をお詫び申し上げます。

これに懲りずに、また次回もご乗車くださいませ。