オープニングトウマ
微動だにせず、無言
□TBSテレビ『SPEC 一挙放送SP』
2020年6月11日(木) から6月25日(木) にかけて再放送された分を、見逃し配信で一話ずつ視聴して記事を書いています。今回は最終話より。
【ネタバレの可能性とはいつも隣り合わせ】
でも、あらすじをすべて取り上げてる訳ではない
今回は特に結末に触れぬよう細心の注意を払っているつもり
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「禁断の『SPEC』はじめました」シリーズも今回がいよいよラスト。
名残り惜しいけど、「名残り惜しけりゃ全て良し」ということわざを(そんなモノはない! )、前回思いついて結構気に入ったんでまた使っちまった。
やるかどうかを危ぶみながらなかなかその一歩を踏み出せないでいた今企画が、こんなにもちゃんとしたコンテンツになったのは、偏に『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』(あ〜、やっぱりすご〜く長い! あ〜やっぱりすご〜く漢字多い!)のおかげかな、と。
こんなにも素晴らしいドラマを放送当時(2010年)にちゃんと観てなかった自分に「何やってんだ! 」とゲンコツをお見舞いしたい。もしも、ぺこぱのように時を戻すことが許されるなら、できればあの当時の自分にゲンコツしたい。
おっと、今回は最終話ということでいつも以上に気合いが入ってるから、長くなるやもしれない。故にさっさと行こう。
今夏、冷やし中華をまだ食べていない阿倍カステラがお送りする『SPEC』を題材にした通学路通行禁止の寄り道トークバラエティーをお楽しみくださーれ。
オープニングトウマ extra edition
以下、前回・第9話のラスト回想シーンから、一 十一(ニノマエ ジュウイチ / 神木隆之介)の台詞。
「君の世界と僕の世界の時間の流れは違うんだよ」
「君たちの動きは常にスローモーションなんだよ」
「めんどくさいから殺す」
「動いた⁈ 」 からの〜
冒頭の「オープニングトウマ」の画像。
最終話、起の回 「百年の孤独」が始まる。
「瀬文さん、雪を避(よ)けてください」と当麻。
「い〜や、絶対それ無理⁉︎ 」と視聴者(を代表して)。「子どもの頃、やってたけど…」
[ワンカットコーナー]
Psychometry 美鈴ちゃん
最終話 起の回「百年の孤独」での、志村美鈴(福田沙紀)のワンシーンを切り取ったワンカット。
「耳の後ろにヒトデ型の痣があった。それと同じ痣がニノマエにもあった」
この時点で、サイコメトリングで知り得た情報を当麻に話す。これが今後の展開に重要な証言となる。
前回・第9話では「もう必要なくなったんで消えたんです。ほっとしました」と自分のSPEC・サイコメトリングが使えなくなったと主張した美鈴だけど、傷を負い入院している瀬文焚流(加瀬亮)や当麻に躊躇なくそのSPECを使う。彼女のSPECによって、闇に葬られるかもしれなかった真実を当麻らが暴くきっかけになった。
[ワンカットコーナー]
差し込み! 当麻のSPECは他にもあった⁈
「ふりかけパインばかうまっ」
美鈴がお見舞いで置いていったフルーツの盛り合わせ(そういえば瀬文だけだ。当麻には何も…)を見つけた当麻は、瀬文の心配よりも先にそっちへ飛んでいく。
「夢のフルーツバスケット! 」とそのカゴ盛りの果物にかけられたセロファンをめくり匂いを嗅ぐ。
「キウイOK、メロンOK、梨もOK、バナナぎりぎり。うふっ♡」(思わず文字にハートマーク♡、初めて使ってしまった)
果物の食べごろを嗅ぎ分けるSPECだ。複数の果物が混在していても、一つ一つを判別できるようだ。
「マヨめろん、メロメロばかうまっ♡」
パインにふりかけ、メロンにマヨネーズをかけてばくばく食べる当麻。
「おれのもん、勝手に食うな味バカ」と、病院に運ばれて以降眠り続けていた瀬文が目を覚まし、すぐ横に座り奇想天外な味変をしてフルーツを食べている当麻をはたき、「舌バカ、バカ」と〝バカ〟連発。
当麻は「いいっすねえ、バカ。懐かしい感じがしますなあ。頭ここです」と言って、瀬文がはたきやすい位置に頭を持っていくがすぐにイビキをかいて寝てしまう。
「寝るなバカ、起きろ瀬文! 目開けてこっち向けー! 」と重傷患者をめちゃくちゃに揺さぶる当麻。病室でもお互い入院中でもこの二人は名コンビだ。
有村架純の「温故知新」THE FINAL
最終話なのですべてのコーナーが「THE FINAL」だけど、このコーナーだけにあえてソレをつけてみた。おかげでカッコよくなった。
『SPEC 一挙放送SP』以前に放送されていた『中学聖日記 特別編』
末永聖 役の有村架純さんを見られらなくなり「聖ちゃんロス」になってる皆様に提案する〝心のスキマを埋める方法〟で「聖ちゃんで空いた心のスキマは、雅ちゃんで埋めましょう」という企画だったけど、その雅ちゃんが登場する『SPEC』ももう終わり。どうしますか?
今すぐには良い考えは浮かばないので、最終話における予想よりはほんの少し尺があった雅と野々村係長のシーンを堪能するとしましょう。ホーッホッホッホッ。
◇未詳事件特別対策係
「光っち」と、未詳にやって来た雅。
「雅ちゃ〜ん」といつもの甲高い声でその名を呼ぶ野々村係長。
最終話にして二人の慣れ親しんだやり取りが帰ってきた。当麻と瀬文のそれとは物語における重要さはちがい過ぎるけど、このドラマに必要なシーンなんだよな。そう思わない?
雅「あのね、あたし光っちに言っておかないといけない事があるの」
野々村係長「何なに? 」
雅「あたしイノマタさんと結婚する」
野々村係長「うん、ん? 」
雅「今、ホッとした? 」
野々村係長「うん、ん? 」
「うっそーん」と婚約指輪らしき指輪を満面の笑顔で外して見せる雅。
雅も光っちを奪還するのだ 宣言
野々村係長の現在の奥さん(みやび)が前の奥さん(その人の名もみやび? )から野々村係長を奪ったように、「雅も光っちを奪還するのだ」と宣言する。
それより「雅 / みやび」のかぶせがすごいな。雅が渋滞して文章が書きにくいよ。
野々村係長は雅という名に惚れる体質なんだろうか? いや、複数の女性と付き合う際は同じ名前だと、間違えて呼んでもバレようがないというメリットがあるからか。そうだとしたら「雅」ってそんなによくある名前じゃないから出会うのも大変そう。
そこに噂の「みやび」(現在の野々村係長の奥さん)が登場。
「光っち、光っち」と、有村架純演じる正汽雅と同じ呼び方(光っち)で名前を連呼しながら野々村係長に抱きついた。
その様子を見た雅ちゃんは、
「何これ? アツアツじゃん。ヒートテックじゃん。赤道小町じゃん」
「見てろよ、……」と何か言ってる最中にぶった切られて終わるカット。これにてTHE END となる。
心のスキマ問題は後日また考えるとしよう。
最終話特別企画[ワンカットコーナー]
当麻 紗綾の書道は祖母ゆずり
書家・当麻葉子(大森睦美)
Wikipediaによると、当麻書道教室を開いていてその流派は当麻流とあった。
墨をつけた毛筆を持った手を高く上げ、目を閉じて集中している様子から察するに「こ、これが当麻流⁈ 」かな。
当麻 紗綾の本日も「いただきました」
毎回、一話毎の「いただきました」を紹介し続けてきたこのコーナーもいよいよラスト。
最終話に相応しく総力を上げて、やるよ。
いつも左手を三角巾で吊るしてはいるけど、特に今回は手負い感が半端ない最後の儀式(この連続ドラマでは)。
「ダメだ」と言いながら、書の準備をし墨をつけた毛筆を持って高く上げてからも「ダメだ。何も思いつかない」
あるSPECホルダーによって一部の記憶を消され上書きされている状態。さすがの当麻でも困難な様子。
毛筆から滴る墨汁が床に落ち、それがヒトデ型のように見える。
「覚えてる」とつぶやく当麻。その直後、筆を動かし「痣(あざ)」と書くつもりが「痔(じ)」と書くところが当麻らしい。
「未詳」のこと。「SPEC」のこと。「野々村係長」のこと。「美鈴」のこと。「地居」のこと。
そして、「瀬文」のこと。
当麻は「覚えてる」とまた口にして、一際魂を込めて書に記す「瀬文」の文字。
「忘れられるわけがない。こんな大切なこと」
それらの書に、何者かに捏造された架空の思い出写真を重ねて破る。
「私のここが、全部覚えてる」
いつもは頭上に向かって投げるが、今回は自分の前方へ広範囲に散らばるようにばら撒いた感じ。それだけ対象とする範囲が広いのだろう。
キメ台詞、「いただきました」も、これまでのように一つの真実をつかんだという印象とは違い、多くの大切なものを思い出させてもらった事に対する感謝の言葉のような「いただきました」だった。
[波のラスト・ワンカットコーナー]
差し込み! 当麻 & 瀬文 with 美鈴 ラストバトル
当麻を散々痛めつけ、言葉でも否定し罵るラスボス。
「真実とか記憶とか、そんなくだらないものにこだわってるなんて、人間ってバカだよなあ」
「バ〜カ‼︎ 」と大声で叫ぶラスボス。
瀬文「バカで上等だあ! 」
「当麻から離れろ」
瀬文と美鈴。ラスボスによって消された二人の記憶は美鈴のサイコメトリングによって取り戻されていた。
瀬文「人間の記憶ってのはな、頭ん中だけにあるわけじゃねえ。ニンニク臭え人間のことは、この鼻が。…この傷の痛みが、からだ全部が覚えてんだよ」
最後まで〝刑事(デカ)魂〟でラスボスと対峙する瀬文がカッコいいのだけれど…、おおっと、ここまでにしとこう。
雅ちゃんのシーンぐらい唐突に。
〈おしまい〉
【番組後記】
この「禁断の『SPEC』はじめました」シリーズは、あらすじを紹介するためのモノじゃない。
これを読んで、過去に観たことある人がもう一度視聴しようと思ったり、まだ観たことない人が、初めて視聴したりしてくれたら最高じゃない? って、そんな思いで書いてる。
「あらすじ紹介ではない」「ドラマ批評でもない」とする線引きというか位置づけが、現段階では難しい感じはしてるけど、これをやり続ける事で、確立させていきたいという希望を持ってる。
そうこう言ってる間に、とうとう最終話分の記事も終わった。
長らくお付き合い頂きありがとうございました。なんだか改まって言ってるけど、これで終わるわけじゃない。
今後も他の企画を引き続きよろしくお願いします。