□MBSテレビ『ゆうべはお楽しみでしたね 』
2020年7月26日(日) より「ふっかつのほうそう」(再放送)スタート!
毎週日曜 24:50 〜
記事は8月30日(日) 放送の第6話(最終話)より
☆放送日時は地域によってばらつきアリ
【基本的に全編ネタバレ】
『カステラ書房の毎日』
毎日カステラタイム / 午後3時更新!
その日の状況により多少変更になる場合もありますが、これまで通り毎日更新は継続します!
☆読むドラマとは?
やいのやいの言いながらドラマを見る感覚で、このドラマの面白さを一緒に語り合ってるように読んで楽しめるものである。
また、トークバラエティー番組っぽくやってるつもり(探り探り)でもある。
基本的にはドラマを先に観てください。
それと、ドラマを観るつもりもなかった方が、これを読むことによって「観てみよっかな」ってなってくれたら最高! なので、地味にそこも目指してる。
☆過去の記事、第4〜5話はこちら
『ゆうべはお楽しみでしたね 』第6話(最終話)
第6話
あらたなるぼうけんへ
「ゴローさんはあの後すぐ荷物をまとめて出て行った。あれから1週間、どこに行ったのかはわからない」
空っぽになった部屋を眺めてるさつきたくみ(岡山天音)。
おかもとみやこ(本田翼)は、あやの(筧美和子)の家に居候になってる。
「たくみくんと何かあったのかなって」と心配するあやの。
何も答えないみやこ。
そんなみやこに、「ま、言いたくないならいいんだけどさ」とあやのは相変わらずのあっけらかんとした態度で気遣う。
◇どこかの居酒屋
たくみの転勤祝い。職場の人たちが10人ほど出席してる。
外山くん(ゆうたろう)はわかりやすく酔っ払っていて、「俺はさみしいよお、あんたは俺の目標だったんだよお〜」とたくみにからむ。
「普段いろいろたまってんだなあ、外山くん」と大仁田店長(宮野真守)。
そうつぶやいた後、たくみに顔を近づけて、「たくみくん、ゴローさんとなんかあったの」と聞くと、たくみは飲んでいたドリンクを、ザ・グレート・カブキの毒霧のように吹き出す。
大仁田「相変わらず、わかりやすいなあ〜。ドラクエ X(テン)の冒険ガイドか、君は!」
と、いつもの賑やかなツッコミをした後、再び「で、何があったの?」と聞く。
たくみはこれまでの経緯を話す。
大仁田「たくみくんはさあ、今でもゴローさんのことが好き?」
たくみ(無言でうなずく)「でも俺もうすぐ大阪に行くし。それに何より俺なんかがどうこうできる相手じゃないから。それに元カレの人、すごいいい人だったんですよ。俺そういうのよくわかんないですけど、ゴローさんは今でも彼のことを本当は好きなんだろうなあと思いますし」
大仁田「たくみくんさ、こういう風に考えた事は無い? ゴローさんは今、君のことが好き」
無言で首を振るたくみ。
大仁田「すごいなあ君、ほんとに一度も考えたこと無いのな?」
無言でうなずくたくみ。
大仁田「はあ〜(ため息)。想像してみろよ。自分の好きな人が、他の人と自分をくっつけるためにいろいろこっそり動いてたら。傷つくだろ? 」
たくみ「傷つくんですか?」
大仁田「傷つくんです! 普通は! それでゴローさんは傷ついた。気持ちを伝えたら?」
たくみ「絶対にフラれます」
「絶対に上手くいく保証がないと戦えないのか⁉︎」
大仁田「そんな戦い、勇者がするか? それに大事なのは、君が彼女のことを好きかどうかだろ?」
たくみの肩を何度も叩く大仁田店長。
◇みやこの勤務先 ネイルサロン
引っ越し業者に電話するみやこに、「この間も引っ越ししてなかった?」と聞く栗山店長(芦名星)。
みやこ「あ〜、あれは一時避難的なやつで、今度はホントのやつです」
栗山「ま、いろいろあるよね。人生だもん」
れいな「ほんといろいろありますよね、人生」
「先に上がります。お疲れ様です」とみやこが帰った後、れいな(あの)が「店長、私もそろそろ引っ越そうと思うんです」と打ち明ける。
栗山「え? なんでよ」
れいな「この街はそろそろ限界みたいなんで。どこか遠くへ、そう幻の大地へ」
いつものようにパトカーなどの緊急車両のサイレンが鳴り響いてる。でも今回のは特別賑やかで、厳戒態勢が敷かれてるみたいに緊急車両の数も多い。配置につく警察官の声や足音まで微かに聞こえる。
栗山「あ、そう。達者でね。手紙ぐらいちょうだいね」
つれない栗山店長。
結局何者なの? れいなって。ただの不思議ちゃん?
店長とこの会話をしてる間も、ずっと天(天井)を見上げてニヤニヤしてたから、不思議ちゃんもしくは、かまってちゃんってことにしとこう。
◇さつきたくみの家
たくみが部屋でドラクエをしてると、みやこの元彼・タカシがチャットで話しかけてくる。以下、チャットでの会話。
タカシ
[あの日結局フラれたんです]
[そのことをちゃんと報告してなかったなって]
たくみ
「そうなんだ」
タカシ
[パウさんってみやこのことどう思ってます?]
[好きですよね?]
[パウさんの気持ち何となく気付いてました]
[それなのに利用したみたいですいません]
[もうすぐ大阪ですよね]
[その前に気持ちを伝えたほうがいいですよ]
たくみ
[それはできません]
[絶対にうまくいかないから]
[俺が好きになっていい相手じゃない]
タカシ
[パウさんは超イイ男です]
[仮にも一緒に住んでたんですよね?]
[それにみやこが気付いてないわけないです]
たくみ「あ〜〜。なんなんだよ。俺はどうしたらいいんだよ〜。う〜〜ん」
床に寝転がり悶えるたくみ。
[パウさんの気持ち何となく気付いてました]って、なんだよ! ってかんじだよね?
タカシがたくみの気持ちを知っていたとなると、ちょっと話が変わってくる。
[利用したみたいですいません]ってさ。〝みたい〟じゃなくて完全に利用してたんじゃん。[気持ち伝えた方がいいですよ]とか、誰がどの口で言うてんねん! って言いたくもなっちゃうよ。関西人でもないけどさ。
自分が元鞘に収まりたかったから、たくみとみやこの関係が上手くいく事をタカシは望んでいなかったわけで。そのいわゆる〝恋のライバル〟にいけしゃあしゃあとドラクエを教わってた事が気に入らない。
恋愛にフェアなんてないってのはよく言われてる話だけど、彼のしたことはあまりにもフェアじゃない。自分の目的を果たすために彼は「恋愛においてはルール無用」っていう戦い方をしてきたって事だよね。戦う気さえない対戦者を選んでさ。
そこへあやのから電話がかかる。「え? え〜?」と怯えるたくみだが、電話には出る。以前あやのに付きまとわれていて、たくみは着信拒否をしてたからね。
あやの「もしもしたくみくん。やっぱ気になっちゃってさー。みやこと何かあったの?」
たくみ「はい?」
あやの「ひょっとして、みやこのこと振ったの?」
たくみ「振った、とは?」
あやの「だから、みやこに好きだと告白されて断ったの? だとしたらなんで〜? やっぱああいうタイプ苦手?」
たくみ「は、は、はい?」
あやの「みやこ、かなり思いつめてたよ。あれはほんとに好きだったんだなあ」
たくみ「何を、そんな、わけのわからないことを」
電話を切った後たくみは、「なんなんだ? 今の怪電話は。っていうか、みんなして何言ってるんだ? ドッキリかあ⁈ おーい! 誰だこんなことして、楽しいのかあ〜(叫ぶ)」と、部屋に盗撮用のカメラが仕掛けられてないか探すという、現実逃避な行動を見せる。
やがて気を取り戻してたくみはみやこと過ごした日々を思い返す。
みやこもまた、たくみの事を思い返してる。
で、二人の行き着く先はやっぱりドラクエなんだよね。
ここがこのドラマの特徴なんだけど、MMO RPG の「ドラクエ X」の中でチームのメンバーに協力を得て、たくみは恐らくログインしているであろうみやこの事を探すんだよね。
こういう時の恋愛ドラマって、ヒロインの元へ走って駆けつけるのが定番だけど、このドラマのそれは、ドラクエの世界観の中で行われる。ここらへんが醍醐味なんだよね。
チームメンバー全員でドラクエの世界の中を手分けして、みやこ(ゴロー)を探すシーンは感動もの。
まさかね、ゲーム画面でそんな感動のシーンが展開されるとは思ってもなかったな。
チームメンバーの協力もあってみやこ(ゴロー)とたくみ(パウ)は再会を果たす。
「いちど会ってお話ししたいことがあります。パウたちが…いえ、俺たちが初めて会った場所で待っています」
ゲームの中の〝パウ〟を通して、自分の思いを伝えたたくみはその後すぐ、現実世界の「俺たちが初めてあった場所」へ向かう。
その道すがら、たくみの想像世界にタカシやあやの、そして大仁田店長が現れ、それぞれが武器や防具をたくみにさずける。
これまでみんなが言ってくれた言葉が、たくみにとって勇気に変わっていくメタファーとなっていて面白い演出だ。
「今まで俺はゲームの中でしか勇者じゃなかった」
とたくみが次第に装備を整え、真の勇者となりみやこに会うために目的の場所へ向かう。
こんなにカッコいい岡山天音さんってなかなかないよ。
岡山天音さんという俳優はどちらかというと二枚目をやる俳優じゃないし、いつも冴えなくてモテないタイプの役柄が多いからさ。
約束の場所に先に着いたたくみが、ドキドキしながら待っていると遅れてみやこがやってくる。
みやこ「パウさん。話って何かな?」
たくみ「えっと…(かなりもじもじするが)ゴローさん。俺、ゴローさんのことが好きです」
たくみ「そりゃあ、ゴローさんは俺にとって恐れ多いくらいつり合わないと思う。かなり無理しないとゴローさんに近づくこともできないと思う。でも、だったら、俺は目一杯無理したいって思うんだ!」
その言葉を受けて、みやこはたくみに駆け寄り両手で顔を鷲掴みにする。
「そういうのは目を見て言うんだよ」
たくみ「ごめんなさい」
みやこ「よし、じゃあ付き合うか?」
たくみ「え? ゴローさん、本気で言ってるの?」
みやこ「え〜、なんで〜。パウさんはどうしたいんだよ?」
たくみ「いや、だってそんな。告白なんてしたけど、具体的にそんなことまで考えてなかったっていうか。恐れ多いっていうか」
みやこ「近づくために無理するんだろう! 恐れ多いとかって言って無理できんの?」
みやこ「じゃあ、あらためてよろしくね。パウさん」
ラストシーンはやっぱり二人並んでドラクエ。
この後、二人がキスして終わり。
どんなドラマかもわからずに再放送を視聴し始めたこのドラマ。
近頃、ニッチなテーマで作られてるドラマが割と多いので、このドラマもそうなんじゃないかなと予想してたら、思いのほかガッツリと恋愛ドラマだった。
それでもしっかりテーマとなってる「ドラクエ」がストーリーに融合してるからすごいよね。
そこらへんは同じMBSテレビの『ホクサイと飯さえあれば』(主演 上白石萌音 2017年1月-3月)でも味わわせてもらったけど、ストーリーはもちろんその演出が素晴らしいんだよね。
それと、宮野真守さん演じる大仁田店長の笑いと存在感に、筧美和子さん演じるあっけらかんとしたあやののキャラがこのドラマをより面白くしたよね。二人ともキャラクターに合ってる感じがしたしいい味出してた。
特に大仁田店長の存在感はすごい。
たくみはタカシ、あやの、大仁田店長にもらった言葉を勇気に変えてみやこに告白したけどさ。
前にも言ったようにタカシはたくみを騙してたみたいなもんで。自分がダメだったからその罪滅ぼし的に言ったかんじがする。
あやのは、そもそもみやこが「たくみを好き」と嘘ついたのを間に受けての発言。
という事は三人の中で本当にたくみを思って言葉をかけたのは大仁田店長だけなんだよ。
居酒屋でのたくみを説得する姿なんかは上司、あるいは先輩として頼りになる男って感じがしたもんね。
さて、これにて『ゆうべはお楽しみでしたね』の読むドラマ シリーズは終了となります。
読んでくださってありがとうございました。
引き続き、他の記事でお会いできたら嬉しいです。
〈おしまい〉
【番組後記】
9月に入ってから毎日の更新時間を午後3時に変更した。
そのおかげで以前のように、更新時間に遅れるような事はほぼなくなった。多分これからも何か特別なことが起こらない限りは更新時間を遅れる事はないだろう。
その点は良かったんだけど。1日2回更新をする日が極端に減ってしまうというマイナス面も出てきた。
やっぱり攻めの気持ちを忘れたらダメだよね。〝攻撃は最大の防御なり〟って言うしね。
各ドラマも最終話が連続してて、不安定な時期ではあるけど。なるべく近い内に1日2回の更新を実施したい。
ちなみに最終話って事もあり5,000文字オーバーでお送りしました。
誰が読むんだよっ! こんな長文‼︎
〈次回お楽しみに〉