カステラ書房の毎日

webで小説やエッセイを書く〝阿倍カステラ〟の勤務先。それが『カステラ書房』。今日もひっそりとオープン‼︎

猫がニャーニャーニャーニャーと鳴く代わりに 僕は「未来に誰かと出会いたい」と泣いた


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☆2日連続、したむきちゃんのどアップ by ママからもらったおしゃれなサングラス☆





未来に誰かと出会いたい

でも現在の自分には誰かと出会う勇気がない

孤独とはずいぶん仲良くなった

孤独とはこのさき仲良くやっていけそうだ

このまま僕は孤独に生きていくのだろうか


大切な人と「さよなら」をして

大切なものをすべて失って

僕にはなんにも無くなってしまった

「未来に誰かと出会いたい」という願望も きっと体裁で

取ってつけたような とりあえずの目標なんだ

そんなふうに仲良しの「孤独」くんは言うけれど


正直わからないな


この先 どうしたらいいのかがわからないんだ



だけど僕とおなじような人がいたら いたとしたら

僕はその人に未来を語るだろう


もしかしたら僕は嘘つきなんだろうか

矛盾したことを平気で言える 詐欺師なんだろうか


正直わからないな



◇◇◇


ある日、

僕は人間をやめて

「カステラ」として

生きることにした



誰かがお腹をすかせていたり

誰かがかなしくて泣いていたりしたらほっとけないから アンパンマンみたいに自分のカステラをその誰かに「食べなよ」ってあげたい


カステラは甘い香りをただよわせながら ふんわりとやさしく君をつつんでくれるはずだから


僕だってそうだったんだ

君だってそうさ




はるか上空

雲が流れてる 雲はどこへ行くんだろうね


彼女はこう答える

「そんなの決まってるわ、一日のお仕事がすんだらお家に帰るのよ」

 「お家? どこに? 」

「知らないわ、山の向こうじゃない? 」


かもしれないね 一日のお仕事を終えた雲は山の向こうのお家に帰る

「おかえりなさーい!」と出迎える子ども雲

「晩ごはんにしましょう」とお母さん雲

温かいクリームシチューがテーブルにならぶ 「熱いからふーふーして食べるのよ」とお母さん雲

お父さん雲の帰りを待つ あたたかい雲の家族の食卓が目の前に広がる



「未来に誰かと出会いたい」を課題にしよう

夏休みの宿題みたいにだけど

夏休みのような期限はこの際曖昧にして



やたらと猫がニャーニャーニャーニャーうるさく鳴いてる

あの猫たちにニャーニャーニャーニャーうるさく鳴く権利があるのだから

僕にだって権利はあるはずだ

ニャーニャーニャーニャーと鳴く代わりに 僕は「未来に誰かと出会いたい」と泣いた