カステラ書房の毎日

〝令和きってのドラマウォッチャー〟阿倍カステラが所属する『カステラ書房』

向き不向きが関係してくるが、それでも『咲 -saki-』を面白く観れた理由

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 小林 立/SQUARE ENIX・「咲」プロジェクト ©Ritz Kobayashi/SQUARE ENIX 

◇◇◇ 今日の一本的な内容になったけど、それ以外にも『予告犯』(2015年・主演 生田斗真)も観た ◇◇◇





ワイドナショーなんか見てるとコロナ問題でパチンコ店が休業要請に応じなくて、店名を公表するやらなんやらでやいのやいの言ってた。


コロナ問題そっちのけでパチンコがギャンブルだとか、グレーゾーンがどうしたとか政治家、芸能人、一般人がヒステリックになってる。こんな状況下でパチンコ店に訪れてる人もどうかと思うけど、僕にとって今日のギャンブルの話題は「麻雀」かな。


今日は浜辺美波主演の『咲 ーsakiー』(2017年)を観たのだけれど、とにかく麻雀のことがさっぱりわからないので、何をやってるのかが全然わからなかった。でもさ、面白かった。


昨日、同じく浜辺美波主演の『賭ケグルイ』(2019年)を観た流れだった。「賭ケグルイましょう〜」と目を赤く光らせて狂ったように笑う浜辺美波さんの好演に魅かれて、「麻雀は知らないけど観てみるか」となったのだ。


映画は冒頭から麻雀の試合で始まってて、ずっと麻雀ばっかりな展開。その試合は県予選だったので序盤で予選が終わり、中盤に学園ドラマがあって終盤に全国大会なのかなってストーリーを予想してたら、それに反してずっと続く県予選。『ちはやふる -上の句-』方式か、と理解した。


浜辺美波さん演じる主人公・宮永 咲 は、蛇喰 夢子のような派手なキャラではなく、『賭ケグルイ』の世界観のようにはちゃめちゃではないまでも個性的なキャラが多いのが、麻雀を知らない僕でも面白く観ることが出来た理由だろう。


ドラマ『女子高生の無駄づかい』でのマジメ役と全く違う原村 和 (はらむら のどか)役の浅川梨奈さん。あの声はさすがに武器だなと思える片岡 優希役の廣田あいか私立恵比寿中学)さん。今季ドラマ『そして、ユリコは一人になった』の岡本夏美さんと元・ゆるめるモ!のあのちゃんの(役の上での)関係性など、魅力あるキャラクターがそれぞれの個性を発揮してる。


中でも菊池麻衣さんが演じる天江 衣 は存在感があったなあ。役を演じてる菊池麻衣さんは、劇中で周囲の人が「子供じゃないか? 」と言われる高校生役なのだけど実年齢は2005年生まれだから、撮影時は12歳以下。それでいて、


畢竟(ひっきょう)するに



敗衄(はいじく)することがあれば



なんて物言いをするキャラ。

麻雀の試合のシーンには牌を捲る時に黒い霧のようなオーラを発したり、麻雀の役にちなんで海底にいるような演出が加わる。そういうのは彼女に限ったことじゃなくて、咲なんかはもっとカッコいい。麻雀牌を置いたり動かしたりする時にいちいち麻雀卓がドーン! と揺れてみたり、牌をつかみにいく手が風を纏っていたり、その牌を卓に置く時には光り輝く花びらのようなものが舞い散る。これで麻雀を知ってたらもっと気持ちがシンクロできるんだろうね。



試合の解説を担当している藤田靖子(夏菜)が天江 衣に、


「そろそろ麻雀を打て」

「お前のは打ってるんじゃない、打たされているんだ」


ってアドバイスとして言葉をかけるんだけど、これもさっぱり意味がわからない。だけどなんだかカッコいいシーンだというのは伝わってくる。



思いもよらず『咲 ーsakiー』を気に入ってしまったけど、多分というか絶対に近いほど、この先自分が麻雀を覚えることはないと思う。これにはどうしようもなく向き不向きが関係してくるから。


そんなわけで、これまて全く知りもしなかった麻雀に触れた4月29日の祝日、昭和の日だった。