カステラ書房の毎日

webで小説やエッセイを書く〝阿倍カステラ〟の勤務先。それが『カステラ書房』。今日もひっそりとオープン‼︎

読むドラマ ◇ case7『美食探偵 明智五郎』第8話

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□オープニングトピック

桐谷みどり/れいぞう子(仲里依紗)始動。


日本テレビ『美食探偵 明智五郎』

毎週日曜 22:30〜 記事は第8話より


【基本的に全編ネタバレ】




読むドラマ ◇ case7 『美食探偵 明智五郎』第8話


さあ、みんなーっ「読むドラマ」はじめるよ

〝最速の執筆家〟阿倍カステラが車掌も運転手も兼任する「読むドラマ」という名の快速列車。毎度、脱線に次ぐ脱線でダイヤ乱れまくりのトークバラエティー

さあ、乗ってらっしゃい読んでらっしゃい。駆け込み乗車も大歓迎⁉︎ 

今宵も見切り発車で出発進行!


振り返り度 ★★★

今回「振り返り度」星3つで割と振り返り強め。





『美食探偵 明智五郎』第8話

「探偵さん。私決めてるの、次に殺すのはあのお弁当屋のお嬢ちゃん」


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「あなたの目の前でね」




田畑陽介 / ルシファー(森永悠希)にストーカー行為をされていたココ(武田玲奈)は、マグダラのマリア小池栄子)に言われるがままに、毒きのこ入りのパスタを食べさせて殺害を試みた。(前話)


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その毒きのこはドクツルタケ。

明智五郎(中村倫也「日本に自生するものの中では最も危険な毒きのこだ。たった1本で大人ひとりを死に至らしめる。接種してから数時間で中毒症状が起こるが、一日程で治まる。しかし、怖いのはそのあとだ。治ったと思った7日後に毒がまわり真っ黒な血を大量に吐き激痛に悶え苦しみながら死に至る」


「何? そのいかにもミステリー向きな設定のドラマチック過ぎる毒きのこ⁉︎ 」

と、〝ドクツルタケ〟に興味が沸いてきたのでググッったら、Wikipedia にも明智五郎さんが説明してたものと同じような内容がすべて記載されてた。フィクションじゃなく実在するものだから、まあ当たり前か。


そこで気になるワードを見つけた(Wikipediaより)。

まず一つが、欧米では「破壊の天使」(destroying angel)との異名をもっているという事。


「破壊の天使」って、なんとも〝こわ可愛い〟ネーミング。或いは、アイドル的な人気を誇る女子プロレスラーのキャッチフレーズのよう。

欧米での異名まで知ったからには今後、ドクツルタケの事を「破壊の天使」と言う奴がいたら、頭叩(はた)いて「欧米かっ! 」って言ってやりたい。


それともう一つが、ドクツルタケと同じ猛毒をもつシロタマゴテングタケとタマゴテングタケで猛毒キノコ御三家と称される、とある。

〝御三家〟って呼ぶ必要ある? それに「シロタマゴテングタケ」がやけに美味しそう。一度は食べてみたいネーミング。まあ、一度しか食べられないけどね。




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「ねえ、人殺しがアイドルしちゃダメって誰が決めたの? 」と、ファンにドクツルタケを食べさせるアイドル。その名はココ。



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「小林一号」

「苺ですけど」


つくづく思うんだけど。映像がカラフルで綺麗なんだよね。どんなカットも色彩豊かで絵的にそそられる。どこを切り取っても絵になる感じ。



「一つ提案がある。僕の事務所で一緒に暮さないか」と明智から言われ、何故か桃子(富田望生)も加わり一緒に暮らす事になる。


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なんで部屋の中にテント?

「へやキャン△」な苺と桃子。




マリアファミリーに軟禁されていた田畑のもとへ7日後に訪れたココは、田畑にまたあの時と同じパスタを用意する(おそらくドクツルタケ抜き。もうその必要ナシ)。


目の前のオムレツのせナポリタンに血を吐く田畑。オムレツと相性の良い色のコントラストが見るものの気持ちを逆撫でるが、一連のシーンは美しく描かれている。やってる事は残虐だけどその残虐さに一枚フィルターがかかっているようで、そのフィルターのおかげで見てられる。


次の吐血シーンではその血がココの顔にかかる。


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ココは顔色一つ変えず、寧ろその顔には微笑をたたえている。

「私、その顔が見たくてお料理がんばったんです」



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田畑が息絶えた後ココは「怪物に相応しい最後の晩餐ね」と声をかける。


やけにマリアの意思を受け継いだかのような言動が目立つココ。そういえば、林檎 / 古川茜(志田未来) やシェフ / 伊藤(武田真治)だってそうだ。シェフなんて、桐谷みどり / れいぞう子(仲里依紗)の回で、殺した旦那さんの解体をやってるからね。常人には到底できっこない所業を。




罠にはめ人気の無いビルへ苺をおびき寄せたマリア。何もないコンクリートだけの空間にテーブルがひとつ。食事を始められるようセッティングされている。そのテーブルの向かいに苺を座らせ明智五郎との出会いから話を始めるマリア。


マリア「これは運命なの」

「運命? 」


15年前

マリア「たまたまのぞいた学園祭で彼に会ったの」


学園祭のクレープ屋台。

クレープ用の鉄板で黒毛和牛フィレステーキを焼く明智


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マリア「そのお肉おいくらですか? 」

明智仕入れ値を考えるとまあ、一枚6,500円といったところかな」

友人「どこの学祭で6,500円も出す客がいるんだよ」

明智「美食は教養、自分への投資だ」

マリア「出します。6,500円ですよね」

明智「いや、待て。なら新しい肉を焼こう」

マリア「どうしてですか? 私そのお肉で」

明智「食事は人生において大事な営みだ。残りの人生であと何回食事ができるのか、その数は限られている。だから僕は思うんだ。一度として食に妥協してはいけないと」


明智「この肉はあなたの好きな焼き加減で焼くべきだ」

マリア「おすすめは? 」

明智「中がロゼ色のミディアムレアかな? 」

マリア「じゃあ、それで」



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マリア「夢のようなひとときだった。あの時のお肉」


マリア「私の最後の晩餐はこれにしたいっていうくらい」



十数年の時を経て再びマリアは、偶然にも苺の弁当を買っている明智を見つけたのだ。


「それで明智さんに浮気調査を」


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マリア「ええ、それであの人が教えてくれたの。私にとって本当の幸せは何なのかを」

「それが人殺し」


マリア「みんな知らないのよ。こんなにわくわくする、楽しいことを」

「狂ってる」

マリア「法律で人殺しが禁止されてるのは、それに快感が伴うからじゃないかしら」


マリア「今日はお話できて楽しかったわ」


「どうして? どうしてそんな人間になれるの」

マリア「じゃあ聞くけどあなたはだあれ? 」


マリア「世の中のほとんどの人は、本当の自分なんてわからない。それに気づかず、気づいてもそれに蓋をして生きている」


「私はわたし、マグダラのマリア



マリアに追いつめられ、ビルの吹き抜けの底へ落ちる苺。


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ここにきて第1話を思わせるシーンが。



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苺の悲鳴を聞き駆けつけた明智


このシーンは無音になる。

手を離してしまった苺の手を明智がつかむ。



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明智「どうせ正論でも吐いたんだろ。だからこういう事になる」

「自業自得、ですか」


明智が苺の手を引っ張り上げる。後から二号・桃子も加勢して苺は救出された。


泣いて明智に抱きつく苺。

「もう大丈夫だ。小林一号」

「苺です」



マリア「運命なの、あなたと私は。出会ってしまったことも。そして、この世の最後に二人になることも」

マリア「すべて運命、それもあなたはわかってるはず。そうでしょ」


「二人の魂は通じ合ってるから」とビルの吹き抜けの底へ自ら歩を進めるマリア。

それにつられるように明智がマリアに近づいていく。

「やめて明智さん。いかないで」



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明智さん、私は明智さんのことが好きです。大好きです」


ラストもラスト、それにマリアと明智がビルの吹き抜けの底へ二人で落ちていこうとしているその間際で、小林苺が明智五郎に告白する。

その台詞は、なんの捻りもないありふれた言葉を並べたものだけど、このシーンでのその台詞は特別なものに思えた。

このドラマがなんだか特別なもののように思えていたその理由を小芝風花が演じる小林苺の、この告白が教えてくれた。



その苺の告白を聞いた後、「ありがとう、小林、苺」と明智が初めてちゃんと苺の名前を呼んだのにはウルっときた。


それに、ここ重要なんだけど。

主題歌、宇多田ヒカル『Time』が回を増す毎に浸透してきて、最終話を前にMAX状態。これはもう最終話はMAXを超えて聴かせてくれるんだろうと期待しかない。




コミカルなシーンが多く油断してるとサスペンスドラマってことを忘れてしまうくらい、カラフルで楽しいドラマだ。もうここまで楽しめるようになってくると、ジャンルやカテゴリーなんてどうでもよくなる。それがこのドラマの正しい見方のようにも思える。


見るものにその罪の重さを感じさせない不思議な魅力をもつ連続殺人鬼・マグダラのマリア

そのマリアを追う探偵らしくない探偵・明智五郎が追い求めているものは何なのか。


「恋する毒殺サスペンス」と番組HPにある。

ビルから落ちていった二人。最終話にはこれまでになかったような事がきっとある。はず。


「衝撃の」

「最終話」

と次回予告で煽ってたし。

それに、


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□最終話は30分拡大SPだってさ



〈おしまい〉




【番組後記】


特になし


って、いや〜。最終で追加分書いてたら寝落ちしてしまい。起きたら0:50

「こりゃヤバい」ってなって、速攻公開。


やれやれ、





【カステラ書房の見解】

この「読むドラマ」は、広義ではドラマの〝批評〟にあたるが、それを目的としたものではなく、筆者・阿倍カステラが題材とするドラマを観て感じた事、書きたいと思った事をそのまま文章にしたものです。そこに言葉をつむぎながら新しい創作を模索する、言わばチャレンジ企画みたいなものです。よって今後もお気軽にお読みいただけましたら幸いです。