小川先生あっての嶋田隆平
🟧 嶋田隆平に血が通う理由
僕はただの公私混同で、明日海りおさん演じる小川先生にスポットをあててるわけじゃない。
小川先生の存在があって、その女性を愛した嶋田隆平に血が通うからだ。見る側の意識として。
あれほどまでに犯人を捕まえる事に執着する嶋田隆平。
時にやりすぎとも感じる行動にも、知らず知らずのうちに引き込まれてしまい、許してしまう自分(視聴者)がいる。
小川香里がどれだけ生徒思いの先生だったか。どれだけ魅力的な女性だったかを知るほどに、このドラマを楽しめるというものだ。
そこんところを注目しながら、第8話の後半を振り返ってみたい。
関西テレビ『青のSP ー学校内警察・嶋田隆平ー』
2021年1月12日(火) スタート!
毎週火曜 21:00〜
〈記事は3月2日(火) 放送の第8話より いろいろと引用してます〉
✳️ 第8話 視聴率は 8.7%
(これまでの視聴率は本記事のラストに掲載)
□今回はこちら
✴️これは【後編】です。【前編】がまだの方はこちらを先に
(あのね、ネタバレ注意だよ)
🔶赤嶺中3年 司の部屋
□坂木司の「俺、殺されます」の続きから
坂木が熱中症のせいで意識が朦朧とし、交通事故に遭ったあの日。
熱中症になったのは、野球部OB 黒石雅和による練習中のしごきが原因だった。
坂木「誰にも言わないでください。言ったら俺も殺されます」
嶋田「俺も? どういう意味だ?」
坂木「小川先生がお見舞いに来てくれて。その時、俺が様子がおかしいのに気づいて」
(回想)
香里「何があったの?」
坂木「熱中症になったのは、阿部先生のせいじゃないんです。誰にも言わないでください」
そう前置きして坂木は、熱中症になった原因を小川香里(明日海りお)に話した。(冒頭の画像)
すると後日、黒石雅和(桜木那智)が病院に来る。
松葉杖を蹴られ病院の廊下に倒される坂木。ケガをした足をギプスの上から踏みつけられ、「小川にチクったのか? 余計なことしたら殺すからな」と脅される。
(回想終わり)
嶋田「学校に来れなくなったのは、それが本当の原因か」
坂木「そのあと、小川先生が死んだって聞いて。小川先生は黒石先輩に…」
一方、野球部員の矢島にレーザーを照射した犯人を突き止めた三枝弘樹(山田裕貴)。
逃走する犯人 を「住浜署のボルト ナメんな!」と追跡し確保する。「そんな異名があったのね」というおもしろシーンあり。
その犯人は前科持ちの仁村。便利屋をやっている。
坂木の母 坂木いつき(岩橋道子)から依頼を受けての犯行だと仁村は供述する。
🔶再び 坂木家
□黒石追跡から二転三転する
嶋田は阿部先生(音尾琢真)を連れ立って坂木家を訪問する。
坂木司の母 いつき は便利屋に依頼した事を認める。
矢島に危害(レーザー照射)を加えたのは便利屋の勝手な行動で、いつきはただ野球部の練習をやめさせるための嫌がらせを依頼したのだった。
いつきは学校に抗議文を送ったが学校側に聞き入れてもらえなかったので、嫌がらせをするに至ったと話す。
阿部はその抗議文の存在を知らない。
「木島校長だ。面倒になると思って受け付けなかったんだろう」と嶋田。
たしかに。その抗議文らしき書類をシュレッダーにかける木島校長のカットが、今話の前半にあったな。
この木島校長はこうして何でも秘密裏に処分してしまうんだよ。以前も柴田先生が提出した働き方改革の提案書を、見もしないでゴミ箱に捨ててたっけ。
坂木家を後にする嶋田がすぐに野球部OB 黒石のもとへ向かう。
その嶋田に浅村涼子(真木よう子)から電話がかかる。
ここのところ真木よう子さんはドラマ後半にならないと出てこないんだよね。ずっとベンチを温めてるかんじ。
すでに阿部から事情を聞いてる
涼子「黒石くんのところに向かってるんですよね?」
何も答えない嶋田
「どうして黙ってるんです? 何を考えてるんです?」
嶋田「香里を殺したのは黒石だ」
それだけ言って電話を切る
同級生らとバッティングセンターにいた黒石を捕らえた嶋田に、タイミングよく三枝からメールが届く。
涼子と香里が言い争う音声データをネットカフェから嶋田に送った人物の、防犯カメラに写った画像が添付されてる。
黒石を取り押さえながら嶋田は、反射的に黒石と一緒にいた同級生二人の顔を確認する。その一人が添付画像の人物と一致。
危険を察知した黒石の同級生はその場から逃走するが、すぐに嶋田に取り押さえられる。
嶋田「お前か。俺に小川香里と浅村涼子の音声データを送ってきたのは?」
「小川香里の件にお前、どう関わってる? 言え!」
相手が高校生だろうと関係ない。容赦なく腕を逆関節に締め上げ吐かせようとする。その迫力がすごい。
松田宏太(水沢林太郎)
「あいつが、俺とか黒石が坂木を追い込んでるのをバラそうとしたんだよ。そんなんバレたら俺、推薦取り消しになってたんだよ」
嶋田「だから、口封じに?」
松田「殺すつもりはなかったんだよ。ちょっとけがして、おとなしくなってくれたらいいって」
ついに小川香里の、自転車のブレーキワイヤーを切った人物が確定した。犯人はこの高校生だった。
松田の自供による回想シーンとなる。
(演じてる水沢林太郎さん)なんか見覚えあるな〜っ思ったら、テレビ朝日『マリーミー!』(主演 久間田琳加 2020年10月-12月放送)の秋保翔役の人ね。
✳️ そのドラマはこちら
✳️ 松田宏太役のご紹介
いや、今はそれどころじゃない!
リンクなんて貼ってる場合じゃないよ‼︎ (興味ある方はみてね)
回想シーンではこの松田が香里の自転車のブレーキワイヤーを切っている場面が流れる。
その自転車に乗って香里は転倒し頭を打つ。その後アパートに帰り着くが階段を登る途中でふらっとして、階段から落ちて死んでしまった。
松田が音声データを送ったのは、涼子が犯人だと疑わせるためだった。
松田「浅村って教師が疑われればいいって思ったんだ。俺だけ逮捕されるなんて嫌だったんだ」
「それに、小川先生を邪魔に思ってたのは俺だけじゃない」
嶋田「お前、何を知ってる?」
🔶赤嶺中学校 校長室
□二転三転の末 いよいよ最終決着か
その熱量のまま赤嶺中に戻ってきた嶋田が校長室へ直行する。
それを見た涼子が嶋田を追いかける。
校長室へ入るや否や校長 木島敏文(高橋克実)に、嶋田はいきなりヘッドバットをかまし、即手錠をかける。
嶋田「松田が全部吐いたよ」
「小川香里から熱中症の真相を聞いたお前は、その情報を逆に利用した。
推薦で高校入学が決まってた松田に目をつけ、推薦が消えるぞと脅し、そして…」
「お前が! 小川香里を殺すように命じた‼︎」(怒鳴る)
木島校長「ち、違う。違う違う。…でたらめだ。松田と私、どちらを信じる?」
嶋田「どちらも信じない。真実にしか興味がない」
それでもしらを切る木島校長が、やっぱり時代劇の悪代官に見える。
木島校長に嶋田は録音テープを聴かせる。
松田は木島校長から切り捨てられた時のために、二人の会話を録音していた。その会話内容で木島校長が松田に犯行を示唆していることがわかる。
涼子「どういうことですか? 校長先生。どうして小川先生を…」
□ここから木島校長劇場 開幕
木島校長「生徒を守るためだ。小川先生は、何が何でも岡部の事件を公表しようとしてた。独り善がりの正義感だ」
嶋田が怒りにまかせて木島の襟首を掴み上げる。それでも木島は続ける。
木島校長「だから、少しけがでもして、騒ぎが収まるまで学校に来られなくすればいいと思ったんですよ。私だってね。まさか死ぬなんて思ってなかった」
め、め、めちゃくちゃな理由!
嶋田は容赦なく木島の腹にボディーブローを打ち込む。一発、二発、三発!
「やめて!」と飛び込んできた涼子を突き飛ばす。吹っ飛ぶ涼子。女性だろうが関係ないのよ、スイッチ入った嶋田さんには。
嶋田「独り善がりの正義感? 香里は誰よりも生徒のことを思ってたよ!」
木島校長「恋人を亡くされたのは気の毒だった」
嶋田「お前が殺したんだ。お前が! お前の都合で、クソみたいな理由で!」
顔面パンチ一発!
木島校長「私は…私は、間違ったことをしたと思ってない。小川先生はほんとに気の毒だったが、14歳のこれからの人生を思えば、あぁするしかなかった」
「小川先生が死んだとしても、未来ある生徒の人生のほうが大事だった」
嶋田「命を比べるんじゃねぇ!」
机の上にあった盆栽の手入れ用の植木バサミを手に取り、嶋田が迷いなく木島に突き刺す。か、かろうじて腕! ほっ。
木島校長「きれいごとだあー‼︎(叫ぶ)お前たちは何にもわかってない。子どもたちを守るというのはな、そういうことなんだよ!」
嶋田「お前の言葉なんてなあ、わかるつもりもない!」
嶋田は尚も植木バサミを振るうが、力づくで木島がそれを払う。
反動で倒れた木島に馬乗りになり、嶋田は顔面パンチ一発。さらに首を締め上げる。本気の怒りだ、本当に殺す気だよ。
涼子は「やめて!」と叫ぶが足がすくんで動けない様子。ベンチを温めてたけど体が冷えてんのよ。(んなこたぁ〜ない。タモさん風)
そこへ駆けつけたのが三枝弘樹。
嶋田を取り押さえ、「だめです。これ以上は…。俺が! 俺が先輩に手錠をかけなくちゃいけなくなりますから」
三枝「木島、逮捕状だ!」
すでに木島には傷害の教唆容疑で逮捕状が出ていた。
嶋田に馬乗りになったまま
三枝「もう、何やってんすか!」
木島校長は手錠をかけられ連行される。
校舎を出て
涼子「嶋田さん、大丈夫ですか?」
嶋田「まだ終わってない」
「香里がいったい何を考えていたのか、あれからずっと考えてた。あいつは生徒の心に土足で踏み込むようなやつじゃない」
「涌井美月のように、心に深い傷を負った生徒ならなおさらだ」
涼子「この事件にはまだ何か裏があると?」
嶋田「香里が何を調べてたのか。何がしたかったのか。それが知りたいんだ」
どこまでも嶋田さんは香里さんを信じてる。
ラストの3年1組
「おい、みんな!校長が逮捕されたぞ!」と菊池京介(鈴木悠仁 / 少年忍者)が教室に飛び込んで知らせて。
✳️ 菊池京介役のご紹介
涌井美月(米倉れいあ)と尾崎香澄(鈴木梨央)が顔を見合わせて、何やら無言のやり取りをしてるというね。
いよいよ涌井美月の問題の真相にたどり着きそうな予感。
✳️ 涌井美月役のご紹介
これまで出番は少なめだったけど、存在感を放っていた尾崎香澄がどう絡んでるのか。
✳️ 尾崎香澄役のご紹介
このドラマって、1話完結のストーリーと、全話を通しての「涌井美月」「小川香里」が絡むストーリーバランスが絶妙なんだよね。
木島校長が逮捕されても話の流れはトーンダウンせず、むしろ加速していく感じ。
最終話まで突っ走っていくような疾走感があって、期待感が高まっていく。
明日は青のSP第9話です❕🔥🔥
— 山本海心 (@cocoroyamamoto) 2021年3月8日
是非皆さんみてください。#青のSP#渡辺奈美役#山本海心#asiapromotion pic.twitter.com/37O1MfwGBN
「読むドラマ□Rebo」とは?
週に30本近く、月に100本以上をチェックしている信頼と実績(?)の、
〝令和きってのドラマウォッチャー〟阿倍カステラがお送りする、テレビドラマを読んで楽しむエンターテイメントコラム
【重要】先にドラマを観ることをおすすめしてます
【前後編】合わせてかるく一万字突破してる。
おかげで執筆スケジュールずれまくりで、公開時間もまちまちになっててすいません!
とにかく現在(3/9 10:45)、『カステラ書房の毎日』注目記事ランキング。ベスト5 に『青のSP』関連の記事が3つもランクインしてるという独占状態。
『青のSP』ファンのみなさん、ありがとう!
感謝の気持ちを文字数で表現してるといっても過言ではないかんじ。
本文では触れなかったけど、嶋田さんの木島校長制裁シーン。
香里さんの事を「独り善がりの正義だ」と言う木島に、ブチ切れる嶋田さんのあの迫力と、香里さんに対する思いが感じられたシーン。
カステラドラマアワード2021 / 最高感動シーンにノミネートしてました。事後報告!
すでに他で決まってしまったもんで本文では触れませんでした。すいません!
『青のSP ー学校内警察・嶋田隆平ー』
□これまでの視聴率
第1話 8.9% (12.7%)
第2話 8.3% (11.8%)
第3話 8.0% (12.4%)
第4話 8.5% (11.5%)
第5話 7.9% (12.8%)
第6話 8.5% (11.4%)
第7話 8.7% (12.2%)
第8話 8.7% (10.8%)
(カッコ)内は関西 ずっと安定してる関東視聴率。ラストに向かって、まだ上がりそうな予感がしてる。
『カステラ書房の毎日』
「したむきちゃん」阿倍カステラ©️