☆ドラマ『中学聖日記 特別編』第2話より
今話は「ハチマキ」に甘酸っぱいストーリーがある
【 注・基本ネタバレ含む 】
もう、なんか無条件にUruの歌声が流れてくると涙があふれてくる。
この感じ、なに? (『中学聖日記』ドラマ風)
冗談はさておき、この主題歌『プロローグ』にはとくに、魔法にかけられてるんじゃないかと疑うくらいに、そう感じる。
コロナ禍による影響で各局の番組編成は乱れ、代替によるドラマ再放送がもてはやされてる。
この『中学聖日記 特別編』は週一の放送ではなく、5月25日より木曜と土日を除き連日放送される。ちなみに木曜だけ何故? って思うけど、恋愛バラエティ番組『恋んトス season10』のレギュラー放送があるみたい。
それにしても週4話分放送されるので、それを今後も1話分ずつ話題に取り上げるかは未定だけど、このドラマ『中学聖日記』はどこかほっとけない魅力があって中毒性があるようなんだ。
また、深掘りしていくと気づける新しい発見みたいなものもあるし、何度も観たドラマだけど何度も観る価値はあって、十分に楽しめる。
校庭を走る黒岩くんの姿を眺めながら。
「会いたかった、勝太郎さんに」
「何で? 」
◇川合家
なんとなく成り行きで結婚前の両家顔合わせが突然に決まるが、仕事でトラブルがあり川合勝太郎(町田啓太)は不在。
そんな主役不在で緊張ムードが漂う食卓シーン。話題は聖が結婚してから仕事をどうするか? になり、仕事を辞めるつもりがないらしい聖の発言に食卓は微妙な空気になる。カメラワークが固定されてなく微妙にゆらゆらとしていて、聖の感情を表してるようだ。周りの「仕事は辞めるべき」という趣旨の発言に内心反発する聖だがどこか煮えきらない自分にも苛立ちを感じている様子。
「勝太郎さんは私の目標です」
勝太郎のどこを好きになったのかを語りながら聖は、自らの意志を確認し覚悟を決める。
◇体育祭
☆体育祭。突然、聖の手を取り走り出す黒岩くん
「じゃあ、はっきり言うけど、こういうの迷惑だからやめて」
「先生として黒岩くんを応援する。それ以上でも以下でもない。だからもうやめて」
連れ込んだ倉庫室で恋心を完全に否定されてしまう黒岩くん。この後、リレーの出番をキャンセルして学校を後にする。
☆台詞とは裏腹に、別の思いなどがある時に多用される人物の背後を多めに映す構図
◇屋内テニスコート
「ちょっと付き合って」と原口律(吉田羊)にテニスの相手をさせられる川合勝太郎。律の強烈なサーブを受けることもできない。
サーブを打つ度に強めの言葉を吐く律。
「どいつもこいつもみんな、レッテル貼りたがる。どうせ女はすぐ結婚してやめる! 」
「残った女は不倫か干物、メンタル不安定! 」
「はたまた彼女いるって知って、急にシャッター下ろす人もいるし! 」(補足)原口律はバイセクシャル
「でも、あんたは変わらない。なんで? 」
「さあ? 原口さんは、原口さんだから? 」
「何それ? 」
気に入らない様子の律。サーブを打つ態勢に戻ろうとしたが思い直し「ちょっと集合! 」
二人、早足でセンターのネットに「集合」する。
「目標って言われたんだっけ? 聖ちゃんに」
「目標なんて、遠い存在だって気づかない? 」
「もしかしたら彼女、距離かんじてるかもしれないよ」
恋人同士が離れていることの問題点。心の距離まで離れてしまうことに気をつけた方がいい、とアドバイスする律。ここまで的確に部下の恋愛にアドバイスする上司・原口律は只者ではないな、と思わせるシーン。
◇体育祭が終わって
学校からの帰り道、自転車で転倒し怪我をした黒岩くんを見つける聖。
思わず駆け寄り怪我の具合を心配する聖をよそに、理性を抑えきれなくなった黒岩くんは聖を抱きしめる。
黒岩くんの自宅に電話するも繋がらず、迷った挙句、「怪我を手当てするため」と聖は黒岩くんをマンションに招く。
せめてもの抵抗か、部屋には入れず廊下あたりで椅子に座らせ怪我の手当てをする。ティッシュを取ろうとふいに手を伸ばした黒岩くんの動きに反射的に避ける聖。慌てて取り繕うが、
「私いま、意識しすぎた? 」
自分の行動を反省し、担任としての役割を全うしようと覚悟を決める。
「黒岩くん? 先生ね、好きな人がいるの、だから‥‥」
Uruの歌声が流れてくる
目にかかる髪の毛と かきわけた指
壊れそうでどこか 寂し気な背中
黒岩くんがコンビニに行ってる間に、勝太郎が聖のマンションに訪れる。そこへ買い物を終えた黒岩くんが戻ってくる。
ラストは恋愛ドラマにありがちな三角関係の展開に。だけどこの時点ではありがちなドラマのような「浮気」などというワードはどこにもない。直接的にはない。担任と生徒として、婚約者と鉢合わせる、というだけのシーン。そう、まだ序章。
ラストシーンで顔を合わせる直前の三人。誰一人として相手の思いを知らない状態。とてもふわふわとしていてあやふやなんだ。本人でさえ気づけてないことだってある。きっと誰もまだ気づいていないんだ。ほんとうのことには。